不動産投資のコレクション

ラーメン店だから、ラーメンさえ売っていればいいというものでこれら3つの要素がバランスよく組み合わされ、しかもそのレベルがお店の代金と比較して正当であれば、お客は支持してくれるわけだ。 したがって、そのレベルが高くなればなるほど、お客の満足度も高くなり、お店は繁盛することになる。
誤解のないようにいっておくが、ここで大事なのはお客の判断であって、お店の意見ではない。 いくらお店側が、うちは付加価値を売っていると主張しても、肝心のお客がそう感じなければ、最初からなかったも同然だということだ。
つまり、お客にわかるような付加価値づくりということも、頭に入れておく必要があるわけだ。 ラーメン店の商品は、ラーメンやギョーザである。
チャーハンや炒めものもあるかもしれないが、とりあえずラーメンとギョーザということにしておこう。 では、ラーメンやギョーザの付加価値とは何だろうか。
まず、おいしいということは当たり前である。 それプラス個性、独自のおいしさがなければ、付加価値とはいえない。

何度もいうようだが、そこのおいしいというだけでは、いまのお客は満足してくれない。 とくにラーメンのような日常食はそうである。
貧しかった時代なら、ラーメンというだけで外食の値打ちがあった。 いまは違う。
いまさらいうまでもなく、こと食に関しては、かつてなかったほど豊かな時代だ。 外食だけではない。
家庭での内食のレベルも非常に高くなっている。 だから、そこのおいしいという程度では、外食の価値として認めてはくれない。
つまり、わざわざ選んではくれないのだから、他店との競争には勝てないということになる。 お客に「あのお店のラーメンは」とか「あのお店のギョーザは」といわせてはじめて、付加価値のある商品ということができるのだ。
次は、サービスの付加価値について考えてみよう。 ラーメン店はオープンキッチンのカウンター席が中心になる。
そのため、サービスといったって、せいぜいお客が席に着いたら水を出すくらいないものだろう、と思っているお店が多い。 たしかに一見、テーブルサービスのレストランと比べると、サービスの要素は小さいように見える。
実はそんなことはないのである。 たとえば、カウンターの上がスープや辣油で汚れていたとする。

次のお客が来る前に、その汚れをきれいに拭き取っているかいないかで、お客の印象はぐんと変わる。 忙しければ、次のお客が座ってから拭くということもあり得るが、問題はその拭き方だ。
汚いダスターでいい加減に拭くのでは、うちは清潔感覚が鈍いものですから、とわざわざアピールしているようなものだから、かえって興ざめである。 女性客ならなおさらだ。
また、「いらっしゃいませ」に始まり、オーダーの受け方、丼の置き方、「お待ちどうさま」など、そこでひと言つけ加えるかどうか、会計のときの対応の仕方、「ありがとうございました」のいい方など、接客サービスはさまざまな場面に分解することができる。 そのいちいちの場面でどういう対応をするかは、テーブルサービスのレストランと本質的には何の変わりもない。
違うのは接客動作だけで、お客に感謝し、お客に尽くすという基本はまったく同じなのである。 では、雰囲気はどうだろうか。
雰囲気というと、店内の内装の高級感とかインテリアの趣味のよさとか、とかくそういう方向で考えがちだが、それらは雰囲気の付加価値の一部にすぎない。 実際、清潔なだけで何の飾り気もないのに、とても居心地のいいお店というのがある。
つまり、雰囲気の付加価値とは、その業種業態に合った居心地のよさということなのだ。 居心地のよい空間にするためには、絶対に清潔感が欠かせない。
ところで、最初に、これら3つの要素がバランスよく組み合わされ、しかもレベルが高くなるほど繁盛できるといったが、3つの要素のうちのどれが大事で、どれはいい加減でもかまわない、などということはあり得ない。 飲食業はあくまで、これら3つの要素の総合力が勝負であり、どれが欠けてもビジネスとして成立しないのである。
たしかに、ラーメン店はラーメンが売り物である。 ラーメンが食べられるというだけなら、何もわざわざラーメン店に行く必要はない。
スーパーやコンビニでは、はるかに安い値段でラーメンを買うことができるのだから。 そうはいっても、自分でつくるのは面倒だ、だから、つくって提供するだけでも付加価値はある、という考え方もあるだろう。
なるほどそれも、一理はある。 ラーメン1杯の価格の大半がその手間賃だとしたら、お客は認めてくれまい。
他にラーメン店がなければ、他の飲食店で食事をすることだろう。 なぜなら、お客は気分よく食べたいからである。

ラーメンに限らず、自宅でつくればぐんと安上がりになる料理は多い。 それでもあえて外食するのは、外食の楽しさを求めているからにほかならない。
つまり、気分よく食べられるとか楽しさといったお客の要求に応えるもの、飲食店の付加価値なのである。 だから、お客の満足感には、商品、サービス、雰囲気の3つの要素が複雑にからまっている。
よほどのことがなければラーメンの味だけではお客は呼べないし、店舗の内装やサービスのよさだけでも繁盛はできない。 飲食業の粗利益率が群を抜いて高いことは前に触れたが、これら3つの要素の付加価値代が含まれているからなのだ。
けっして、暴利をむさぼれるように高くなっているわけではない。 お客はそのことをよく知っている。
だから、飲食代金が正当かどうかは、3つの要素の総合力から判断されるわけで、ひとつでも欠けていたら、そのお店は不当に高いお店、お客をバカにしているお店という焔印を押されてしまう。 別に、大袈裟な話ではない。
お客とはそれくらい怖いものなのである。 このことを忘れてはいけない。
まずターゲットを絞り込む。 最初に、どんな飲食店も業態なしでは成り立たない、ということを確認しておこう。

業態とはひと言でいえば、どんな客層にいくらで売るか、ということである。 なぜなら、お客にとっては価格こそが、外食でお店を選ぶときの最大のポイントだからだ。
お金の使い方は客層によって違ってくる。 ラーメン店の場合は、飲食業のなかでも客層が広いほうだが、それでも、立地によっては客層と利用動機が大きく変わってくる。
たとえば、駅前商店街のような立地なら、文字どおりに老若男女、幅広い客層を集めることも可能である。 ただし、まったくの日常的利用動機を相手にするわけだから、価格設定は慎重に決めなければならない。
他の飲食店に比べてのお値打ち感が重視されるからだ。 一方、風俗営業店が密集するような繁華街で深夜営業する場合は、戦略がまるで違ってくる。
客層は時間帯によってはっきりと分かれるし、ふつうは安さよりもおいしさを重視するお客が多い。 したがって、ラーメン1杯の価格は、駅前商店街に比べてかなり高く設定できることになる。
このように、ひと口にラーメン店といっても、立地やターゲットによって、いろいろな業態に分かれるわけだ。 逆にいえば、ターゲットを絞り込まないお店は、よほど味で評判にならない限り、存在感をアピールすることができない、ということだ。


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